
「営業職が全然集まらない…」「求人広告に30万かけたけど、応募ゼロ…」
そんな声があちこちで聞こえてくる令和の採用戦国時代に、突如現れた“奇跡の事例”をご紹介します。
それは、千葉県君津市の某警備会社さんが、求人広告費たったの15万円で営業職の採用に成功したという話。
このご時世、「15万で営業職を採る」なんて、普通に考えたら無理ゲーなのですが、魔法か裏技か、それとも社長が絶世のイケメンなのか…?気になるその理由を解説していきましょう。
監修者

株式会社Revive代表
熊野拓人
法人向けにインフラ系商材の電話営業を行い、キャリア内で全国売上No.1の販売代理店において新人賞を3ヶ月で獲得。営業人材の育成、営業業務の代行を主軸に2021年株式会社Reviveを設立。2年で計100名以上の営業組織を構築し、50社以上の営業プロジェクトに携わる。後に動画やWebにおけるクリエイティブの制作から採用支援サービスを開始。現在では採用計画の立案から、一次面接の代行までを請け負う総合的な採用支援活動を行い、中小企業を中心に約50社以上を採用成功に導く。

株式会社Revive代表
熊野拓人
法人向けにインフラ系商材の電話営業を行い、キャリア内で全国売上No.1の販売代理店において新人賞を3ヶ月で獲得。営業人材の育成、営業業務の代行を主軸に2021年株式会社Reviveを設立。2年で計100名以上の営業組織を構築し、50社以上の営業プロジェクトに携わる。後に動画やWebにおけるクリエイティブの制作から採用支援サービスを開始。現在では採用計画の立案から、一次面接の代行までを請け負う総合的な採用支援活動を行い、中小企業を中心に約50社以上を採用成功に導く。
目次
まさかの応募単価11,000円!? 君津の警備会社で起きた奇跡
この事例の舞台は、千葉県君津市。地方での採用というハードルに加え、職種は営業。しかも警備業界という、どちらかというと応募が集まりづらいカテゴリー。
それにも関わらず、たった15万円弱で12件の応募。応募単価は約11,296円――
正直、「いや、こんな数字、聞いたことないぞ」というレベルです。
再現性が有るかと言われれると、おそらく無いですし、この実績をもとに営業トークを繰り広げるのもの、ちょっと違う気が。。。(笑)
実際の広告運用データを見てみると、表示回数4,747回、クリック数414件、クリック率8.72%、応募数12件、応募率2.9%、利用金額135,555円(予算上限15万円)という結果でした。
特筆すべきは、クリック率8.72%という高水準。これは求人広告としてはかなり良い数値で、求職者に“刺さった”原稿であったことがうかがえます。
また、応募単価は約11,296円。営業職としては破格のコストパフォーマンスです。都心部なら1件3〜5万円かかってもおかしくない中で、この結果は驚異的と言えます。
正直、求人で応募が来るかどうかは“運”です。
もちろん、ただ単に求人を出しただけではありません。
以下のような工夫は、しっかり行っています:
- 写真は現場のリアル感が伝わるものを厳選
- 原稿は“ガチすぎない”ライトなテイストに調整
- クリック率を向上させるためにタイトルを工夫
ですが 、正直な話をすれば、ここまで応募が来るとは思っていなかったのが本音です。
担当コンサルタントも掲載1週間で「あ、この求人跳ねたかも!?」と思ったものの、これで採用成功までたどり着くとは思っていませんでした。
そう、これはもう“一種のまぐれ”だったのです。
ただし、ここで重要なのは、「まぐれだったから意味がない」のではなく、“まぐれを拾える状態にしていた”ことこそが成功要因という点と言えます。
実は、まぐれ応募はよくある。でも採用まで行ける企業は少ない
求人広告業界において、「たまたま応募が集まる」ケースは、実はそれほど珍しいものではありません。
実際のところ、応募自体はお金を掛ければある程度は来ることが予想されます。 逆を言うと、応募を取りにいかないと(求人を有料で掲載して面を貼らないと)応募がくることは基本的には大企業でない限りないとも言えます。
とわいえ、優良掲載をおこなっれいれば、例えば次のような状況で“まぐれ的な応募”が集まることがあります:
- 掲載初日の目立つ位置に表示された
新着枠や注目枠に載ることで、一時的にアクセスが集中し、偶然求職者の目に留まる。 - 求職者の検索条件とタイミングが奇跡的に一致した
求職者がたまたまその日に「営業職 × 日勤 × 君津市」で検索をかけた瞬間、ピンポイントで該当した。 - 競合が少なかった時期だった
同じエリア・同じ職種の他社求人が一時的に減っていたことで、相対的に注目を集めた。
このような“外的要因”が偶然重なれば、「思った以上に応募が来た!」というケースは十分に起こりえます。
しかし、問題はその先です。応募を採用につなげられる企業は、実は非常に限られているのです。
応募=ゴールという錯覚が失敗を招く
多くの企業がやりがちなのが、「応募が来たら半分成功」という考え方。実際には、ここからが勝負です。
- 連絡が遅い
→ 応募してから数日放置してしまい、応募者の熱が冷めてしまう。
現在の求職者にとっては、1社だけではなく複数の企業と同時に選考を進めていることはもはや常識と言えます。
従来までは1時間かけて面接会場まで向い、面接を1時間行い、1時間かけて自宅に帰宅する。という形で、約半日の時間を要していました。
しかし、現在では多くの企業が1次面接ではオンライン化を取り入れていることにより、1次面談を気がるに行えることから、並行での選考社数が多くなっています。
- 面接が画一的・無愛想
→ 内容は会社説明もほとんどなく、応募者への興味も感じられない。
採用面接に同席させていただくケースも多いのですが、そこで多く目にするのが一方通行な面接です。
基本的に面接の場は、企業と個人のマッチングの場となりますので、企業側から一方的な質問攻めをする場所ではありません。
むしろ、候補者が受けている他の企業よりも、より自社の事を魅力に感じてもらうための場とすることの方が重要と言えます。
採用まで至るのは、運より“構え”の差
まぐれ応募を採用につなげる企業と、ただスルーしてしまう企業。
この差は、「応募が来たときに採用できる構えを持っていたかどうか」に尽きます。どれだけ運が良くても、受け皿がなければ成果にはなりません。
「偶然、応募が来た!」という瞬間を、「偶然で終わらせるか」「成果につなげるか」は、企業の準備と姿勢次第。
これが、採用における “まぐれを実力に変える”という発想です。
“採用力”とは、応募者を惹きつけ、取りきる力
多くの企業が「応募数を増やすこと」にばかり注目しがちですが、採用成功の本質はそこではありません。“応募者を惹きつけ、最後まで取りきる力”こそが、本当の意味での採用力です。
この採用力には、大きく3つのフェーズがあります。
① 応募後の初動レスポンス
応募者は応募した瞬間から「本当にここでいいのかな?」という不安と期待を抱えています。そんな中、企業側の初動が遅れたり、事務的すぎたりすると、一気に熱が冷めてしまいます。
【採用力のある対応】
- 応募から24時間以内のスピード対応
- 丁寧かつ歓迎の意を込めた文面・声のトーン
- 面接日時の提案とあわせて、「ご応募ありがとうございます。お会いできるのを楽しみにしています」と一言添える配慮
② 面接での対応力(共感・安心感・現場紹介)
面接の場は、企業が応募者を見極めるだけでなく、応募者が企業を“見に来ている”時間でもあります。
しかし多くの企業では、以下のような面接が行われています:
- 「志望動機は?」「いつから働けますか?」「残業は大丈夫ですか?」と、ひたすら企業側の質問
- 求職者が会社について質問する時間がほとんどない
- 会社の説明も名刺交換レベルで終わる
これでは、応募者は「自分のことばかり聞かれて、会社のことは何もわからなかった」と感じるのが当然です。
【採用力のある面接とは?】
- 会社紹介資料やスライドを使って、「何をしている会社なのか」「どんな人が働いているか」「どんな日常があるか」を説明
- 現場スタッフとの対話や写真・動画で“リアルな雰囲気”を共有
- 応募者に質問の時間をきちんと取り、「どんな職場を求めていますか?」と関心を示す姿勢
さらに、面接の締めには「うちで働いてほしいと思いました」など、歓迎されている印象を残すことが、心理的な安心感と好印象につながります。
③ 入社までのフォローアップ
内定を出して終わりではありません。内定後〜入社までの期間に、応募者の気持ちは揺れ動きます。
- 他社から内定が出た
- 家族と話して不安になった
- 実はまだ迷っていることがあった
この時期に企業側から何のアクションもなければ、内定辞退やバックレが起こるのも自然な流れです。
【採用力のある企業】
- 内定後すぐに「おめでとうございます!」と声をかける
- 入社前に不安を解消する1on1やオリエンテーションを実施
- 入社前でも社内チャットやLINEグループでやり取りを始め、安心感を与える
応募者に「この会社に行きたい」と思わせるのは“待遇”ではない
高給与や休日の多さは確かに魅力です。しかし、人が最終的に「ここに行こう」と決めるのは、“この会社は自分を歓迎してくれている”という感情です。
事務所に行って質問ばかりされ、企業説明もろくにされない面接と、笑顔で迎え入れられ、会社紹介スライドを使って仕事を丁寧に説明してくれた面接 -どちらに行きたいかは明白です。
このような「選ばれるための努力」を惜しまず行っていくことが、採用活動の成功に為には必要と言えるでしょう!
とはいえ、応募単価が11,000円で獲得できたことは、運が良かったとしか言えません(笑)