採用選考において、不採用通知メールの送付は避けて通れない重要なプロセスです。応募者にとって不採用通知は次の就職活動のスタートとなる一方、企業にとっては自社の印象を大きく左右する重要なコミュニケーションの機会となります。
特に近年は、就職関連の口コミサイトやSNSの普及により、採用プロセスにおける企業の対応が可視化されやすい状況にあります。そのため、不採用通知の送付方法や文面の作り方は、これまで以上に慎重な配慮が必要となっています。
本記事では、経営者や採用担当者が押さえておくべき基本的な考え方から、選考段階別の具体的な文例まで、不採用通知メールの作成と送付に関する実践的なポイントを紹介します!
書類選考から面接選考まで、それぞれの段階に応じた適切な不採用通知の方法を理解し、企業イメージの向上と円滑な採用活動の実現を目指しましょう!
監修者
ひとり広報応援団 団長
前田星菜
マーケティング支援とクリエイティブ制作を行う株式会社Reviveの広報支援サービス。
ひとり広報応援団にて団長を務めております!
ひとり広報さんの、「困った」「分からない」を一緒に解決するお手伝いをしております!
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目次
不採用通知メールとは
選考の結果、不採用となった応募者へ結果を伝えるメールのことです。企業が応募者に送る重要な通知の一つであり、選考段階に応じて適切な文面と送信タイミングが求められます。
不採用通知メールでは、選考結果の説明に加え、応募者への感謝の気持ちや今後の書類の取り扱いなども併せて伝えます。企業の印象を大きく左右する重要なコミュニケーションツールとして、慎重な対応が必要です。
選考過程の最後を締めくくる大切な通知として、応募者の立場に立った丁寧な対応を心がけましょう。
不採用通知メールを送るべき理由と重要性
不採用通知メールは、選考過程における重要なコミュニケーションの一つです。きちんとした通知を行うことで、企業の評判維持につながるだけでなく、応募者の今後の就職活動にも良い影響を与えられます。
特に重要なポイントは、企業イメージの保護です。丁寧な対応は企業評価を高め、口コミサイトでの評判向上や将来の応募者増加にもつながります。また、速やかな結果通知により、応募者は次の就職活動に専念できます。これは時間を無駄にさせない配慮となり、応募者が前向きな気持ちで次の機会に進むことができます。
企業としての重要な役割は以下の2点です。
- 選考プロセスの締めくくりとしての責任
- 応募者への感謝と敬意の表明
このように、不採用通知メールは単なる事務連絡ではなく、企業の姿勢を示す大切な機会となります。誠実な対応を心がけ、応募者への感謝の気持ちをしっかりと伝えましょう。
不採用通知メールの適切な送信タイミング
不採用通知メールの送信時期は、応募者の心情や次の就職活動への影響を考慮して決める必要があります。基本的には選考後1週間以内の送信が望ましいとされています。
選考段階によって適切な送信時期は異なり、書類選考では3〜5営業日以内、面接選考では5営業日以内、最終面接では3営業日以内が理想的です。選考に時間がかかる場合は、途中経過を連絡し、理由と今後の予定を具体的に説明することが大切です。
特に注意したいのは、応募者を長く待たせることは避けるべきという点です。結果が遅れると、応募者の次の就職活動の機会を奪うことにもなりかねません。
業界や企業規模によって通知までの期間に違いはありますが、できるだけ早い段階での通知を心がけることで、応募者への配慮を示すことができます。
不採用通知メールの基本的な構成と書き方
不採用通知メールを作成する際は、基本的な構成要素を押さえることが重要です。以下の要素を含めることで、適切な不採用通知メールを作成できます。
- 件名と宛名を正確に記載する
- 結果と感謝の気持ちを伝える
- 不採用理由への言及は避ける
- 応募書類や個人情報の取扱いを明示する
- 連絡手段を状況で使い分ける
これらの要素を適切に組み合わせることで、応募者への配慮を示しながら、必要な情報を確実に伝えることができます。企業の印象を左右する大切なコミュニケーションツールとして、丁寧な対応を心がけましょう。
件名と宛名を正確に記載する
不採用通知メールの第一印象を決めるのは、件名と宛名です。件名は「採用選考結果のご連絡」など、内容が一目で分かるものを選びましょう。
宛名は必ず「○○様」を使い、「さん」は避けます。フルネームで記載し、氏名の間に半角スペースは入れないよう注意が必要です。特に、以下の2点に気をつけましょう。
- メールアドレスと宛名の一致確認
- 敬称の使い方(様/御中)の使い分け
送信前には、宛名とメールアドレスを複数回確認します。一度送信したメールは取り消せないため、慎重な確認が重要です。
結果と感謝の気持ちを伝える
不採用通知メールでは、結果を明確に伝えながらも、感謝の気持ちを込めることが大切です。「誠に申し訳ございませんが、今回は採用を見送らせていただくことになりました」といった表現で、結論を明確に伝えましょう。
続いて、「選考にお時間を頂き、ありがとうございました」など、応募者の時間を頂いたことへの感謝を示します。選考中の印象や努力を認める言葉を添えると、応募者の今後の就職活動への励みになります。
特に避けたい表現は、「残念ながら」「申し訳ないのですが」といった前置きの重複です。代わりに、前向きな言葉で締めくくることを心がけましょう。
不採用理由への言及は避ける
不採用理由を具体的に伝えることは、かえってトラブルの原因となる可能性があります。一般的な表現にとどめ、詳細な理由の説明は避けるのが無難です。
理由を明記しない代わりに、「今後のご活躍を願っております」など、応募者の将来を応援する言葉を添えましょう。また、再応募が可能な場合は、「今後も機会がございましたら」といった前向きな一文を加えることも効果的です。
ただし、人材紹介会社経由の場合は、次の紹介に活かせるよう、ある程度具体的な理由を伝える必要があります。
応募書類や個人情報の取扱いを明示する
応募書類と個人情報の取り扱いは、法令遵守の観点からも重要な項目です。書類の返却有無や保管期間について、明確に記載する必要があります。一般的な例として「応募書類は責任をもって1か月以内に廃棄させていただきます」といった表現を使います。
返却が必要な場合は、返送時期と方法を具体的に説明しましょう。また、個人情報の管理についても「個人情報保護法に基づき適切に管理いたします」と明記します。こうした説明は、企業としての誠実さを示すことにもつながります。
連絡手段を状況で使い分ける
基本的に不採用通知はメールでの連絡が一般的です。ただし、状況に応じて電話や郵送との使い分けも検討しましょう。
メールは記録が残り、文面をじっくり考えられる利点があります。一方、最終面接まで進んだ応募者や、特別な配慮が必要なケースでは、電話での説明を加えることで、より丁寧な対応が可能です。
また、作品や証明書など返却物がある場合は、郵送との併用が必要です。その際は、メールで発送予定を事前に知らせるなど、複数の連絡手段を組み合わせることで、スムーズな対応が実現できます。
不採用通知メールで気をつけるべき注意点
不採用通知メールを送る際は、いくつかの重要な注意点があります。以下の点に気をつけることで、円滑な採用プロセスを実現できます。
- 結果は1週間以内に送付する
- 送信前に内容を複数回確認する
- 応募者の立場に配慮した文面にする
- 人材紹介経由は理由を詳しく伝える
- トラブル時は電話でもフォローする
結果は1週間以内に送付する
不採用通知メールは、選考結果が決まってから1週間以内に送付することが望ましいとされています。これは応募者の次の就職活動への影響を考慮したものです。
面接から日数が空くほど、応募者の不安や焦りは大きくなります。特に書類選考の場合は3営業日以内、面接選考の場合は5営業日以内を目安に連絡しましょう。
やむを得ず選考結果の確定に時間がかかる場合は、「選考結果の確定まで今しばらくお時間をいただきたい」と途中経過を連絡します。速やかな結果通知は、企業への信頼感にもつながる重要な要素です。
送信前に内容を複数回確認する
不採用通知メールは一度送信すると取り消しができないため、送信前の確認は特に重要です。宛名や件名の表記ミス、誤字脱字などは企業の信頼性を大きく損なう原因となります。
特に確認が必要な項目は以下の3点です。
- 宛名とメールアドレスの一致
- 選考段階や応募職種の正確性
- 文面の誤字脱字や敬語の使い方
できれば別の担当者にも確認を依頼し、複数の目でチェックすることをおすすめします。送信ボタンを押す前の最終確認を習慣づけることで、ミスのない対応が実現できます。
応募者の立場に配慮した文面にする
応募者の心情に配慮した丁寧な文面作りを心がけましょう。結果を伝える際は、「誠に恐れ入りますが」など、謝意を示す言葉を添えます。また、応募者の努力を認める一言を入れることで、前向きな印象を残すことができます。
特に避けたい表現として、「残念ながら」「あいにく」といった否定的な言葉の重複があります。代わりに「今後のご活躍を期待しております」など、応募者の将来を応援する言葉で締めくくりましょう。
人材紹介経由は理由を詳しく伝える
人材紹介会社経由の応募者の場合、選考結果の理由を具体的に伝える必要があります。これは次回の紹介をより適切なものにするための重要な情報となるためです。
伝えるべき内容には、スキルや経験の不足、求める人物像とのギャップなど、できるだけ具体的な評価を含めます。ただし、個人を否定するような表現は避け、客観的な事実に基づいた説明を心がけましょう。
トラブル時は電話でもフォローする
不採用通知後にトラブルが発生した場合は、すみやかに電話でのフォローを検討します。特に、最終面接まで進んだ候補者や、不採用理由について強い質問がある場合は、丁寧な説明が必要です。
電話での説明時は以下の点に注意しましょう。
- 落ち着いた声で誠実に対応する
- 具体的な説明と謝意を示す
- 今後の採用機会について触れる
適切なフォローは、トラブルの拡大を防ぎ、企業の評判を守ることにもつながります。
【選考段階別】不採用通知のメール例文
書類選考と面接選考では、応募者との関係性が異なるため、それぞれの段階に応じた適切な文面が必要です。
以下の例文を参考に、状況に合わせてカスタマイズしてください。
書類選考後の不採用通知のメール例文
書類選考段階での不採用通知は、応募者との初めての直接的なやり取りとなるため、簡潔かつ丁寧な文面を心がけましょう。
書類返却あり
件名:採用選考結果のご連絡
○○○○様
この度は、当社の採用選考にご応募いただき、誠にありがとうございます。
慎重に書類選考を行いましたが、誠に恐れ入りますが、今回は採用を見送らせていただくことになりました。
ご提出いただいた応募書類は、履歴書に記載のご住所宛に郵送させていただきます。 お手元に届くまで、今しばらくお待ちください。
ご応募いただいたお時間を頂戴し、重ねて御礼申し上げます。今後のご活躍をお祈りしております。
株式会社○○○○
採用担当:○○
書類返却なし
件名:採用選考結果のご連絡
○○○○様
この度は、当社の採用選考にご応募いただき、誠にありがとうございます。
慎重に書類選考を行いましたが、誠に恐れ入りますが、今回は採用を見送らせていただくことになりました。
なお、ご提出いただいた応募書類は、個人情報保護の観点から、責任を持って適切に廃棄させていただきます。
ご応募いただいたお時間を頂戴し、重ねて御礼申し上げます。今後のご活躍をお祈りしております。
株式会社○○○○
採用担当:○○
<書類選考段階での注意点>
- 応募への感謝を必ず示す
- 結果は簡潔に伝える
- 書類の取り扱いを明確に説明
- 個人情報の管理について言及
面接後の不採用通知のメール例文
面接を経た応募者への通知は、直接の対話を踏まえたより丁寧な文面が求められます。感謝の意を込めて作成しましょう。
書類返却あり
件名:採用選考結果のご連絡
○○○○様
先日は、当社の採用面接にお時間を頂戴し、誠にありがとうございました。
慎重に検討を重ねました結果、誠に恐れ入りますが、今回は採用を見送らせていただくことになりました。面接での真摯な受け答えから、○○様の意欲と熱意が伝わってまいりました。
ご提出いただいた応募書類は、履歴書に記載のご住所宛に郵送させていただきます。 お手元に届くまで、今しばらくお待ちください。
貴重なお時間を頂戴し、重ねて御礼申し上げます。今後のご活躍を心よりお祈りしております。
株式会社○○○○
採用担当:○○
書類返却なし
件名:採用選考結果のご連絡
○○○○様
先日は、当社の採用面接にお時間を頂戴し、誠にありがとうございました。
慎重に検討を重ねました結果、誠に恐れ入りますが、今回は採用を見送らせていただくことになりました。面接での真摯な受け答えから、○○様の意欲と熱意が伝わってまいりました。
なお、ご提出いただいた応募書類は、個人情報保護の観点から、責任を持って適切に廃棄させていただきます。
貴重なお時間を頂戴し、重ねて御礼申し上げます。今後のご活躍を心よりお祈りしております。
株式会社○○○○
採用担当:○○
<面接選考段階での注意点>
- 面接時の印象や評価に触れる
- より丁寧な謝意を示す
- 書類の取り扱いを明確に説明
- 前向きな言葉で締めくくる
まとめ
不採用通知メールは、企業の印象を左右する重要なコミュニケーションツールです。送信時期や文面の内容、個人情報の取り扱いなど、さまざまな注意点がありますが、以下の3点を意識することで適切な対応が可能になります。
- 迅速な通知:原則1週間以内、遅延時は途中経過の連絡
- 丁寧な文面:感謝の気持ちを示し、前向きな言葉で締めくくる
- 正確な送信:宛名や内容の確認を複数回行い、ミスを防ぐ
応募者の立場に立った丁寧な不採用通知は、企業としての誠実さを示すとともに、将来の採用活動にもプラスの影響を与えます。本記事の例文やポイントを参考に、貴社の状況に合わせた効果的な不採用通知の実現にお役立てください!
採用の際のメールの書き方についても解説しています。ぜひ、現在の採用通知メールを作成の際の参考や現状の見直しにご活用ください!
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